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2020.09.21

『タオと宇宙原理』〈28〉第一章 電磁気力の驚異

 この原子(アトム)の存在を証明したのは当時二十六歳のアルベルト・アインシュタインであった。彼は水面上の微粒花粉の動きに独特なブラウン運動があることを知ると、その運動はその気体や液体の分子が微粒子の花粉にぶつかるために生じることに気付き数学的解析の結果、そこに一瞬のゆらぎが生じているとして計算し、分子の大きさを割り出したのである。そして遂に原子の大きさをつきとめ、原子が実際に存在することを明らかとしたのである。

 さて、原子は陽子がプラス(+)の電荷を帯びていて電子がマイナス(-)の電荷を帯びているため(+)(-)で引き合って離れない構造になっているのである。四章で説明することになるので詳しくは述べないが、そこでは両者に「電磁気力」という力が働いている。あらゆる物質が原子で出来ている以上、全ての物体にこの「電磁気力(電磁力)」が働いているということになる。因みに核子間には「強い力」と呼ばれる相互作用が働き結合している。

 そこで質問の答えとなる。原子の場合はプラス陽子とマイナス電子の(+)(-)の関係で引き合っているのだが、あなたの足と地面とでは、あなたの足の原子のマイナス電子と地面の原子のマイナス電子とがマイナス(-)の電荷同士で反発し合って宙に浮いている状態なのである。子どもの時に磁石で遊んだ経験が皆あるからお分かりだろう。リニアモーターカーは磁石で宙に浮いて走る構造であるがあれと同じ原理である。実はあなたも地面から宙に浮いているのである! 生まれながらにして空中浮遊を身に付けていたということになる。この物理原理を初めて知ったときには誰だって仰天する。知らなかった読者はいま口あんぐりの状態だと想像する。しかし、これがこの世界の真実の姿であるのだ。このことから更に分かることは電磁気力は重力よりも強い力であるということである。

(『タオと宇宙原理』第一章 意識と科学 古代の叡智と量子仮説 電磁気力の驚異)