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2020.09.22

『タオと宇宙原理』〈29〉第一章 電磁気力の驚異

 あなたが常識と思っていることなど、この事実に比べると実に大したことではないとお分かり頂けたであろう。そういう訳であなたも私も電子の反発力(斥力(せきりょく))で床に立ち椅子に座っていられるのである。ベッドが硬いの柔らかいのと文句を言うのもこの電子の斥力の違いでしかない。握手の感触も実は錯覚で、全ては電磁気力の反発の力でしかなかったのである。ということは、もしこの電磁気力が有されていなかったらどうなるだろう? なんと床を通り抜けてしまうことになるのだ。問題は通り抜けた先であなたの肉体を再構成できるかということである。

 そもそも電磁気力がなければ原子が構成されないのであるから、人間そのものはもちろんのこと、この世界も存在していないことになる。遙か未来においては、一旦バラバラになった原子の再構成が可能な時代が来るであろうことは文系の私にも理解できる。『スタートレック』を観ていたからではない。物理の基本概念を理解することで、それが可能であることが想像できるからである。物理学は難解と大半の人は思いこんでいるが、それは教師の教え方に問題があったからで、数式などというのは後回しにして最初は本質的なことから順を追って理解していくと、存外面白く基本概念は意外なほどやさしい。

(『タオと宇宙原理』第一章 意識と科学 古代の叡智と量子仮説 電磁気力の驚異)