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2020年07月

2020.07.01

錯覚としての実在

 われわれは何の違和感もなく自分を演じ生きている。そして内なる自分から外なる自分へと意識が動いたとき、眼を通して外なる世界を認識する。正しくは眼耳鼻舌身意なる六根の働きによって外界を認識するのである。視覚として空間を認識し色や遠近形状を知るのである。耳は音、ことばを聞き分ける。鼻は周囲の匂いを嗅ぎ分け、呼吸という生命維持の重要な役割も果たしている。舌は味覚という生命維持のための食と密接な関係にあり、かつ言語を発する。さらに全身の頭・四肢・皮膚・内臓器を通して外を認識し関わる。そして意識がそれらを統括して自分とその周辺の諸々の現象を把握するのである。この六識をもってわれわれは自分の存在を認識するのだ。