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2020.10.16

『タオと宇宙原理』〈53〉第一章 マックス・プランクの功績

 黒体とは光の色と温度の関係を調べる黒い箱である。この箱に熱を加えると内部で光が放射と吸収を繰り返す。この光のスペクトルを温度ごとに調べていけば、ある温度でどんな振動数の光がどれだけの強さで含まれているかがわかる。

 プランクは、放射される光について説明の出来る公式を追い求めた。理論を考えては実験結果と照合し、合わなければ再び理論を組み立て直す。こうした試行錯誤を繰り返した結果、やがてプランクは一つの実験式に辿り着いた。 これがその実験式 E=hν である。

 Eは光のエネルギーを表わし、hがプランク定数と呼ばれる数値となる。ν(ニュー)は振動数を表わしている。この式は、光のエネルギーは振動数にプランク定数をかけたものに等しいことを意味していた。プランクはこの式を使って熱放射に関する実験を重ねた。その結果、実験によって得られた光のエネルギー分布とプランクの実験式は完全な一致を示したのである。

 一九〇〇年、四十二歳の時、熱放射公式が完成した。熱放射に関する研究はここで一つの決着を迎えることになった。

(『タオと宇宙原理』第一章 意識と科学 古代の叡智と量子仮説 量子論 マックス・プランクの功績)