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2020.09.29

『タオと宇宙原理』〈36〉第一章 古代人は幼稚という誤った観念

 こうやって、人類は知恵を築いてきた。二千五百年以上にわたって幾何学は発展し、さらなる数学と物理定数が発見され、そこから宇宙物理学や量子力学といった自然科学が形成されるに至っている。その最先端の発見や理論はパラレルワールド(並行宇宙)やマルチバース(多次元宇宙)を生み出し、ついには「人間原理」なる宇宙意識を前提とした理論までもが展開し、もはやSF小説を読むよりも奇抜であり胸躍るものがある。今の若い人たちは本当に恵まれた時代に生まれていると思う。学問にはうってつけの環境の中で学問しないというのは罪であるほどだ。大いに優れた若者がこれから陸続として現われることを期待して已(や)まない。

 それにしても、二千五百年前に仏陀が物理学の究極の定理を導き出し、更には知識としてだけではなく悟りという超越の世界を開示したことは驚異というほかない。

(『タオと宇宙原理』第一章 意識と科学 古代の叡智と量子仮説 古代人は幼稚という誤った観念)