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2020.09.28

『タオと宇宙原理』〈35〉第一章 古代人は幼稚という誤った観念

 現代人の中には、ある否定し難い観念がある。それは、古代人は幼稚で現代人は知的で優秀だという文明信仰である。確かに科学についてはその通りである。しかし、人間一個人対一個人として比較したときに、果たして古代人に勝り得るかと言えば、否である。ピタゴラスの幾何学の定理は学校で習わない限り誰も分からない。

 人格に到ってはそれ以上の問題がある。聖書や論語はいまも読み継がれ現代人の精神の支柱となっている。つまりは現代人は人格において古代人以上ではないということを意味する。仏陀の空観は漸(ようや)く量子力学が追いついたところでしかない。科学でさえも一個人に負けているのである。これは驚くべき事実だ。かくの如く現代人の思い上がりは修正される必要がある。現代人は数千年の歴史に君臨する叡智に敬意を払うべきであり、少なくとも、もっと謙虚であるべきだ、と筆者は思う。

(『タオと宇宙原理』第一章 意識と科学 古代の叡智と量子仮説 古代自然哲学者の叡智)