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2020.10.14

『タオと宇宙原理』〈51〉第一章 量子論 マックス・プランクの功績

 彼は、現代物理学、中でも量子力学を語る上では決して欠かせない人物である。学問上の業績だけではなく人格者としての生き方そのものが与えた影響も大きかった。アインシュタインの「相対性理論」もプランクの命名だったという。アインシュタインの光量子の発想もこのプランクのエネルギー量子の発想から導かれたものであった。

 マックス・プランクは一八五八年四月二十三日 ドイツのキールという町で生まれた。祖父は神学者、父親は法学教授、母親は牧師の娘という家庭環境の中で育った。その一生は物理学者としての偉大な歴史とは別に、妻と二人の娘は病や出産で早世し、長男は第一次大戦に従軍して戦死、自慢の次男エルヴィンも第二次大戦中、ヒトラー暗殺を計画したとして処刑されている。こうして、プランクは全ての家族を失うことになった。更に、思い出の家と論文もその全てを戦争で失うという壮絶な悲しみを背負う運命にあった。気難しそうに見えるプランクの風貌は、この悲しみを抱えていた。

(『タオと宇宙原理』第一章 意識と科学 古代の叡智と量子仮説 量子論 マックス・プランクの功績)