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2020.10.08

『タオと宇宙原理』〈45〉第一章 刹那生滅

 さて、この未来相には、未来に閉じ込められて現在相に顕われないものもある。それらは因縁が未だ成就しないものである。また、涅槃に関わるものは作用しない法として未来相内に定住するものとなる。それが顕われるのは、人が解脱した時である。

 刹那生滅とは存在に実体が無いことを意味している。以前、白金か何かの分子の生映像を見たことがあるが、それは部分部分が生滅していて、アメーバの様にふにゃふにゃと動き回っているかの様にも見えた。今でいう仮想フィールドである。その形を留めることがなく、個体とはまったく認識できないものであった。将にその様に我々の体もこの世界の全てが生じては消え、消えては生じるの変化を繰り返しながら存在しているのである。それは、第四章で述べている物理の法則と一致することが、現代において証明されている。

(『タオと宇宙原理』第一章 意識と科学 古代の叡智と量子仮説 刹那生滅)