BLOG

2020.09.26

『タオと宇宙原理』〈33〉第一章 世界で初めて地球の大きさを測ったエラトステネス

(昨日の続きより)

 これは、地球が丸いことを同時に意味していたのだが、ギリシャ人はそのことをすでに紀元前六世紀頃から知っておりエラトステネスはそれを実感として確認することになった。

そこで地球を球として、七・二で円周の三六〇度を割ると五〇となる。つまり地球全周の三六〇分の七・二(五〇分の一)の距離が五〇〇〇スタジア=九二五㎞という事になる。かくしてエラトステネスは地球一周の距離を五〇〇〇スタジア(九二五㎞)×五〇=二五〇〇〇〇スタジア(四六二五〇㎞)と計算したのである。 更に、ここから二五〇〇〇〇スタジア(四六二五〇㎞)÷π(三・一四)=七九六一八スタジア(一四七三〇㎞)と地球の直径を出し、半径を三九八〇九スタジア(七三六五㎞)と割り出した。実際の地球の全周はおよそ四万㎞であることからこの導き出された数字の正確さ(一五・六%の誤差)には驚かされる。

 この誤差もシエネまでの距離を測定した専門の歩行者の技量の差なのであって、計算式そのものは完璧だった。この時代にこれらの計算式がすでに発見されていたことは驚嘆に値する。これが、人類史に残る地球の大きさを最初に計算して出したエラトステネスの偉業であった。今から見れば、実に単純な計算ではあるが、当時としては画期的なことであった。

(『タオと宇宙原理』第一章 意識と科学 古代の叡智と量子仮説 世界で初めて地球の大きさを測ったエラトステネス)