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2020.09.12

『タオと宇宙原理』〈19〉第一章 思考優位型の攻撃性

 それともう一つ重要な観点がある。この種の思考優位型の人に共通するものとして他者の心が理解できないというのがある。それ故、他者の言動や感情表現を単純な一つ一つの文字に置き換え、数値化することで他者を理解できると考えるのであるが、明らかにそこには実態との乖離(かいり)が生じることは否めない。彼らには他者を直截(ちょくさい)に感受し理解する能力が著しく劣っている傾向にある。残念ながらそのことを彼ら自身は理解していない。それをカバーするために、彼らは言語化と数値化を試みる。ところが、結果的にそれは研究成果として評価されることとなり遂に学問として成立することになる。何とも皮肉だが、かくして彼らは権威を身に付けることが出来るのであるが、だが、決して原点の感受性の劣性が改善したことを意味するのではないし、数値によって保証されたのでもない。

(『タオと宇宙原理』第一章 意識と科学 古代の叡智と量子仮説 思考優位型の攻撃性)