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2020.08.28

『タオと宇宙原理』〈4〉第一章 ◆意識とは何か

 ギリシャ哲学に代表される西洋哲学に於いても、哲学のスタートは「神」の理解からであった。当時の知的人物らが、庶民が考えつくこともない理屈を考え、神の存在の有無を論じ、より優れた者は自然哲学を学ぶ者となった。ピタゴラスに代表される偉大な哲学者は、現代人の大半が理解できない数学(幾何学)の道を切り開き、同時に自然と人間の意識とを神の創造物として分析した。西洋知識人の多くはいまだにプラトンを始め、この古代の哲学者たちへの敬意を忘れない。この欧米人の感性を日本人の多くが疾(とう)に失ってしまっていることは、日本の未来に暗雲を棚引かせているように思えてならない。

 ユダヤに於いても、五千年も昔からの歴史を重んじ、そこに現われる信仰厚い偉人たちに敬意を払っている。偉大な哲学の歴史を持つインドに於いても同様である。中国の聖人たちは、いまも我々の精神の支柱として君臨している。にも拘わらず、近年の唯物論者の急増には残念ながら抗しきれていないようだ。

(『タオと宇宙原理』第一章 意識と科学 古代の叡智と量子仮説 意識とは何か)