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2020.08.26

『タオと宇宙原理』〈2〉第一章 ◆意識とは何か

 果たして意識とは普遍存在であるのか考えなくてはならない。ガチガチの融通の利かない合理的還元主義では一切はビッグバンと共に単に偶然に発生しただけのものにすぎず、そこに何の意味も有しない、となる。果たして本当だろうか。この宇宙もこの地球も大自然も我々の社会も我々も、知性も芸術も叡智も愛や悲しみも歴史もそれら一切が、何の価値もない単なる偶発的存在でビッグバンの気まぐれの産物でしかないのか―。

 筆者は幼少の頃よりずっと自分について考えてきた。存在の不可解に悩まされてきたものだ。しかし、一部の生物学者や物理学者たちが言うように、「あなた」や「私」という存在は無意味なのだろうか。内から発生してくるこの〈意識〉〈思い〉はただの錯覚なのだろうか。では、その錯覚の正体は何であるのか。多くの学者は何も説明することなく、単にその存在を発生論的に無意味(単なる偶然)と結論付けるのである。

(『タオと宇宙原理』第一章 意識と科学 古代の叡智と量子仮説 意識とは何か)