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2020.05.16

最新刊『タオと宇宙原理』序章その2

引き続き、現在、執筆中の最新刊『タオと宇宙原理』の序章の一部をご紹介する。

 こうやって人を分析すると、多少の違いがあるとは言え、この枠から外れている者がいないことが分かる。人は皆同じプログラムの中で生を全うするロボット的存在でしかない。いかにも人間的な男女の恋愛も全ての生物にプログラムされた繁殖行動でしかないことが分かる。下等生物より少しだけ複雑な心理状態を形成発展はさせるが、基本のプログラムから外れることはない。我々はロボットなのだろうか。

 いずれ人類は、火星に生命を誕生させる「地球化計画」を開始する。さらに、より早く人類(火星人)が誕生するようにあらゆる技術を駆使して発生を早めさせるだろう。その時、新たな生命に遺伝子を植え付けるのはこの我々人類の子孫の未来人である。そして、その中から新たな人類(宇宙人)を創り出す時が来ることは、決してSFの世界ではない。

 果たして、その新たな人類は誰によって創り出されたのであろうか。彼らは、自我を形成させた時、その自分たちの創造主が隣の星の人類だと知った時の驚きはいか程であるか、想像に難くない。

 さて、かくいう我々の存在も、この巧みなプログラムから外れることはない。我々は一見他者との個人差を感じ〈自分の世界〉で生きているように感じているが、それはただの錯覚でしかない。あなたのその個人的生は他者の個人的生と本質的に何も違わない。あなたも他者も所詮は一つ穴のムジナでしかないのだ。否、一匹のムジナでしかないのだ!

 一九五三年にワトソンとクリックがDNAの二重螺旋構造を提唱した時の人類の衝撃は大きかった。その瞬間、我々人間が設計図に基づいて作られているロボットであることが示唆されたからである。

あなたは誰だろうか?